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西ノ城古墳現地説明会レポート
2月25日、26日の2日間に渡り、福岡県うきは市の西ノ城古墳で現地説明会が開催されました。その様子をフォトレポートでお届けします。
元々は「西ノ城」という山城跡の調査としてスタートしたそうで、発掘が進める中で古墳であることが分かってきたそうです。古墳の上に山城が造られていたということですが、この眺めを見ればそうなるのも分かる気がします。
主体部2。木棺が収められていたと見られるとのこと。木材は土に返ってしまっていたそうですが、蓋を押さえていたと思われる石にベンガラの塗料の跡があったとで、木棺の蓋にベンガラが塗られていたか、振り掛けられていたかということが想像できるということです。分析の結果、このベンガラには水銀も含まれていたそうです。現時点では、全体で10箇所主体部が見つかっているそうです。
墳丘から東側の眺め。隣の丘の様な形状の場所も山城跡だそうです。
墳丘から西側の眺め。山の上なので分かりにくいですが、北側の墳丘の高さは10メートルにもなるそうです。
墳丘には名前の由来ともなった西ノ城の石列の跡も。
南側の山の上にも山城があったそうです。うきは市は古墳も沢山ありますが、山城も50ほどあったのだとか。古くから栄えた地域だったのですね。
東の墳端。古墳の作り方が特徴的で、岩の地層を削ってつくってあり、削って出た石を積み上げて墳丘部をより高く仕上げているそうです。
出土品も展示されていました。まだ、時代を特定できるような出土品が出ていないということで、墳丘部の今後の発掘調査が待たれます。
眺望が最高な西ノ城古墳。上からの眺めも爽快ですが、当時は下から見上げた時の存在感もすごかったのではないかと思います。まだまだ、今後の調査が楽しみな古墳です。この場所は私有地であるため、普段は入ることができません。とても貴重な機会でした。